事例一覧株式会社セブン&アイ・ネットメディア
HeroImage

緊急時の初動対応を明確化
安否確認サービス2で安全・安心な環境づくり

課 題

  • 緊急時の連絡手段が部門により異なる運用だった

  • 東日本大震災の発生時、従業員の安否や状況が迅速に確認できなかった

対 策

  • 安否確認や安否回答の集計を自動化

効 果

  • 地震発生時、即座に従業員の安否確認と状況把握ができるようになった

  • 迅速に指示が可能となり各自必要な動きができるようになった

株式会社セブン&アイ・ネットメディアは株式会社セブン&アイ・ホールティングスの子会社として、セブン&アイグループのデジタル戦略を支えるべく、システム全般を手掛けています。グループの強みである「店舗」「商品」「接客力」に「デジタル」の力を加えることで、お客様が体験したことのない「新たな価値体験」を生み出すことに日々尽力しています。

そんな株式会社セブン&アイ・ネットメディアでは、災害に対して十分な対策ができているとは言えず、東日本大震災発生時には社員の安否確認に時間がかかってしまった反省点があります。そこで今回は、安否確認サービス2を導入したことで、迅速な状況把握を実現し、スムーズなネクストアクションの判断を可能にした管理本部 田中さんにお話を伺いました。

緊急時の対応やルールを明確にするために

事業内容について教えてください。

田中さん: セブン&アイグループ内唯一のシステム機能子会社として、グループ各社のシステム企画・デザイン・開発・運用を行っています。
「ITとデザインで人々の生活を豊かにする」ということをミッションに掲げ、それを実現するために日々お客様の立場に立ち、創造力や情熱を持って仕事に取り組んでいます。

どのようなきっかけで安否確認システムの導入を検討されたのでしょうか。

田中さん: 社内では、受託した案件に応じて多くのプロジェクトが実施されています。いずれのプロジェクトにおいても、システムの開発スケジュールは各事業やサービスをどのタイミングで世に出すのか、ということと密接に関係しているため、基本的に進捗・進行を遅らせることはできません。何らかのイベントがあり、そこに紐づけたサービスが投入されるわけですから、当然そこに関係するシステム開発を遅延させることはできないですし、システム稼働を止めるわけにはいきません。
そんな中で災害が起きた際のリスク対策として、速やかに業務の継続が立て直せるような準備をしておくべきだという問題意識は元々ありましたし、業務担当者の安否確認を速やかに確実に、分かりやすく行う仕組みを導入する必要だという話が出ていました。

自社で一から構築するのは難しかったため外部システムを探すことになり、その中でトヨクモさんの『安否確認サービス2』に出会ったという形です。

どのような課題がありましたか。

田中さん: 近年大型地震や豪雨などの災害が続く中、当社では緊急時の連絡手段が統一的に定められておらず、また何をもって緊急時とするのかという明確なルールも部門によって異なる状態でした。
東日本大震災が発生した際もまずは従業員の安否を確認し、その上で誰がどの領域で動けるのかということを把握する必要がありましたが、お互い連絡が取れなくなり、一部の部門では混乱が発生しました。

安価でありながら安全性・信頼性が高い安否確認サービス2

安否確認システムはどのように比較検討されましたか。

田中さん: 迅速に初動対応に繋がるツールとしていつでも使えること、自動集計機能があり迅速に状況把握ができること、組織単位など小カテゴリーで集計ができることを重視しました。
さらに、状況によって電話やメールが使用できなくなることが予測されるので、連絡ツールとして活用できるという点も選定ポイントになりました。
こうしたシステムを導入する際は、サービスの安定性も欠かせません。安否確認サービス2はシンガポールにサーバーを配置されていますよね。先進国かつ世界的に見ても災害が非常に少ない国を選んでサーバーを配置する、この点はかなり説得力がありました。

現在30製品ほどの安否確認システムがありますが、何製品と比較いただきましたか。

田中さん: すでに広く知られていた大手のシステム2社程度と比較したと思います。ただ、当時社内のグループウェアとしてサイボウズを導入していたので、トヨクモさんの安否確認サービス2はシステム導入を検討し始めた頃から知っており、説明会でデモを見た時点で使い勝手のよさを感じていました。また、ユーザー数の登録規模に対して非常に安価だったのも魅力でした。

大手の製品は知名度が高く導入実績も多数あるので説得力は十分あったのですが、トヨクモさんの事業環境やSNSと連携できる点などを考慮すると、やはり最も希望に沿っているのが安否確認サービス2ということで、社内で理解を得るのにも苦労しませんでした。あまり先入観を持つべきではありませんが、デモを拝見し、「使えそう」と感じた第一印象の裏取りができたという形です。

また、アフターフォローが充実しているのも大きなメリットだと思います。導入前にいくつか問い合わせをさせていただいた際、詳しい情報提供や具体的なサポートなど非常に丁寧にご対応いただけたことがあり、その時点でトヨクモさんや安否確認サービス2に対して安心感や信頼感が持てました。

家族の安否確認や日常的な業務連絡まで幅広くカバー

安否確認サービス2は、どのように運用をされていますか。

田中さん: まずは災害が発生した際の初動について整理することから始め、その上で安否確認サービス2を発動させる震度やエリアについて設定を行いました。現状では会社、従業員の居住地、同居していない家族の居住地を対象エリアとしており、規定の震度を超えた際は安否確認に加え、出勤の可否などを確認する通知が届くので、それに返信をもらうという形で運用しています。

その先は、経営側と管理側が連携して必要なサポートをしたり、ネクストアクションを決定し指示を出したりしていますが、それ以上の活用方法については今のところ踏み込めていないというのが実情です。理由としては、普段使用しているコミュニケーションツールと混同し、重要な情報が二分化してしまう可能性を恐れてのことです。そのため、会社としてはあえて設定した規模の災害が発生した際に確実に通知が届き、各従業員からの返信をもって現状把握を行い、事業への影響の有無を鑑みた上で的確な指示を出すという目的のみで運用しています。

ありがとうございます。部署によっては他の場面で活用されているケースもあるのでしょうか。

田中さん: 中には、安否確認サービス2を連絡ツールとして活用している部署もあります。メインのグループウェアはセキュリティ面が厳重で、例えば体調不良を伝えるためにパソコンから認証を経てシステムに入り、コミュニケーションスレッドを探して書き込むという作業が必要になります。そこまで手間がかかると、通勤中にトラブルが発生した際なども迅速に伝達することができないため、スマホから手軽に利用できる安否確認サービス2を使用して連絡を取り合っています。

最も利便性が高いと感じられているのはどのような点でしょうか。

田中さん: 安否確認を行う際のアンケート機能です。その手軽さは社内PR上でも重要な位置づけとなったのですが、ワンクリックで画面が開き、選択肢を選ぶだけで返信ができる機能というのは有事の際にも非常に有用です。選択肢については、導入時にトヨクモさんからアドバイスいただいた内容を参考に作成したテンプレートを使っています。

一斉訓練はそれぞれが安否確認サービス2の使い方を再認識するいい機会

一斉訓練にご参加いただいた背景やご感想などについて教えてください。

田中さん: 一斉訓練を全員が同じタイミングで行うことで、改めて使い方を確認できるいい機会になっていると思います。安否確認サービス2は日常的に使用するツールではないため、有事の際にこれを利用することをまず思い出してもらう必要があります。しかし、できれば「思い出す」のではなく感覚的、反射的に安否確認サービス2を使用できるようになるのが理想なので、一斉訓点を定期的に実施していただけるのはありがたいですね。それに加えて年1回ビルの防災訓練があるのですが、その時にも安否確認サービス2を活用させていただいています。

防災訓練の実施後、フィードバックなどは行われていますか。

田中さん: 主管部門で集計結果をまとめ、経営会議などで共有するようにしています。例えば小売業出身の社員がマネジメント層にいる部門は安否確認に積極的な傾向がある一方、職人系の社員が多い部門では自分の状況以外に興味が広がらない傾向があるというように、部門ごとの特徴が浮き彫りになります。そういった内容を社長や経営層が参加する経営会議で共有し、その都度啓発を行うなどの対応を行っています。
また週に1回、会社全体でオンライン朝礼を実施しており、そちらで訓練の結果を周知したり、グループウェアの掲示板に掲載したりと、できる限り社員の目に触れるような工夫も行っています。

浸透率も高く、理想的な運用だと思います。導入当初、安否確認サービス2がスムーズに浸透するよう何か工夫されましたか。

田中さん: 安否確認サービス2は操作性が高く非常に簡単に利用できたので、導入後の使い方に関しては全く問題ありませんでした。サイボウズを導入していたこともあり、同じ感覚で利用者のデータ登録ができ、細かい設定に関してもUIが似ていたことで感覚的に進めることができたのだと思います。
また、安否確認サービス2導入当時の前社長が行った啓発活動も、浸透がスムーズだった理由のひとつです。前社長が非常に協力的で、誰よりも早くシステムにアクセスし集計結果を見たり、それを周囲にアピールしたりすることで、自然と社員が返信する環境を構築してくれました。

一方で実際に運用を開始してみて、情報を基にネクストアクションを考えるという意識を浸透させるのは簡単ではないことに気付きました。例えばマネジメント層で考えると、地震が発生して一斉に通知が届いた際、本来であればそれぞれの返信結果を確認した上で次にどのような行動が必要かという判断を行い、的確な指示を出してほしいところです。しかし、中にはそこまでの水準で運用できていない部門もあり、未だに課題は多いと感じています。
ただ、有事の際にも事業を継続させなければならない、そのためには行動に移さなければならないという意識は社員一同共通認識として持っているので、その動きの中にシステムをうまく組み込むことができれば、今後の対応も変わってくると思います。
導入当時、動ける人たちの体制確認やシステム状態のチェックなど、有事の際の業務オペレーションフローを見直すよう経営層から指示が出たこともあり、今も変更があればその都度見直すようにしています。

安否確認サービス2で大切な従業員への想いを伝えたい

安否確認サービス2を導入した効果を実感されていますか。

田中さん: 高額なコストが発生せず、それでいて常に安全・安心な環境が簡単に設計できるのが安否確認サービス2の大きな価値だと思います。また、安否確認サービス2があることで、有事の際に動ける人の有無や人数を素早く把握することができます。それにより、その後のアクションを判断しやすくなり、スムーズに指示を出すことに繋がっているため、事業を継続する上でも非常に有用だと感じています。

もう1つ大きな価値だと感じていることが、安否確認サービス2を導入していることで、会社が社員を大切に想っているという気持ちがきちんと伝わるという点です。地震などが発生した際、社員の返信を基に経営層からトップダウンで指示が出るのですが、これは業務の指示だけでなく、例えば帰宅途中で被害に遭った場合「経費で宿泊して構わないから、身の安全の確保を最優先しなさい」という指示がすぐに出せるということなんです。
自分で判断のつかない状況において、全社で一括してそういった方針が一気に出せるという点も安否確認サービス2の大きな魅力だと考えています。

ありがとうございます。今後の防災対策や安否確認サービス2に対して期待することなどがあれば教えてください。

田中さん: 安否確認サービス2のシステムには非常に満足していますが、欲を言えば今後も極限までシンプルに、徹底的に使いやすさを追求していただけるとありがたいです。いざという時、本当に感覚だけで操作して完結するようなやり取りができればいいですね。あとは、政府のリスク対策や災害対策などにおける方針や基準が変更された時などは、自動的に反映される機能があると助かります。

また社内でも、有事の際には安否確認サービス2からきちんと返信することで会社側から必要な指示を出せるようになり、各部門はそれを確認した上でそれぞれ適切な対応を進めるという一連の流れについて、色々な方法で浸透させるよう工夫していきたいと考えています。やはりこうしたシステムを浸透させるには、普段の業務にいかに組み込んで運用するかというところがポイントになると思っていますので、安否確認サービス2を独立したシステムではなく業務の一環として捉えるような仕組みを徹底して構築していきたいです。

今後も『安否確認サービス2』をお役立ていただけるよう尽力してまいります。貴重なお話をありがとうございました!

もしもの安心のために

\ サービスのことなら何でも /