事例一覧医療法人回精会北津島病院
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安否確認サービス2で
災害からパンデミックまで幅広くカバー

課 題

  • 緊急連絡網を活用した安否確認で電話がつながらず、職員の被災状況を確認できないケースが発生していた

  • 個人情報の観点から緊急連絡網の更新、管理が難しくなっていた

  • 新型コロナウイルス感染の対策で職員で集まることができず、情報交換などが難しくなっていた

対 策

  • 緊急時の安否確認を安否確認サービス2で実施

  • 緊急連絡網を安否確認サービス2に構築

  • コミュニケーション機能でオンラインの情報共有を図った

効 果

  • 緊急時の安否確認を自動化し、職員の被災状況を迅速に収集できるようになった

  • 個人情報を取得せずに連絡網の構築が可能になり、管理も容易になった

  • コミュニケーション機能で全職員がタイムリーな情報共有が可能に

愛知県稲沢市にある医療法人回精会 北津島病院は、精神病床と一般病床合わせて292床を有する精神科専門病院です。1975年の設立以来「人に寄り添い、人を見守り、人を支える医療を目指します」という理念のもと、統合失調症をはじめさまざまな精神病の回復に注力してきました。近年は、2歳から中学生までの発達に心配のあるお子さんの総合的な評価や治療を行う児童精神分野に加え、高齢化が進む時代のニーズに合わせ、認知症治療病棟や内科病棟の開設、睡眠医療における精査依頼の受注など幅広く対応しています。

隣接した三重県や岐阜県などからも多くの患者様が足を運ぶ北津島病院ですが、有事の際の連絡手段は電話による緊急連絡網のみだったといいます。200名の職員全員に連絡がつくまでに膨大な時間と労力がかかり、そもそも最後まで連絡がたどりつかないこともあったそうです。今回は、そんな状況を改善すべく安否確認サービス2を導入し、有事の際の迅速な安否確認を行うとともに、コロナ禍にタイムリーな情報共有を可能にした臨床心理士 目代さんにお話を伺いました。

防災対策委員会の取り組みの一環として安否確認サービス2を導入

ご経歴と現職での業務やミッションを教えてください。

目代さん:私は、臨床心理士として診療部の臨床心理室に勤務しています。普段は、子どもからお年寄りまで心理面の検査やカウンセリングなどを主に行っていますが、国内で大規模な災害が発生した際は、心理士として現地に赴きます。これまでも神戸や東北、熊本などへ実際に足を運び、心の専門家として被災者のケアを行ってまいりました。

そうした経験から防災への関心が強く、防災士という資格を取得した上で院内の防火管理者および防災対策委員会の中心メンバーとして活動しています。以前から安否確認システムの必要性は感じており、日常業務とは別に防災対策委員会の取り組みの一環として安否確認サービス2の導入にも初期から関わってきました。

緊急連絡網の運用に限界を感じた

安否確認サービス2を導入するきっかけになった出来事を教えてください。

目代さん:医療機関が受ける厚生労働省や保健所の監査において、緊急連絡網の有無は必ず確認される項目の1つとなっているため、現在も従来の緊急連絡網を形として残しています。ただ平時であっても、勤務時間外は勤務先からの電話には出ないという人が多く、その上有事の際は電話が繫がりにくいという状況下で、当時電話で連絡をとるという作業にかかった時間と労力は相当なものでした。

また、当院には人事部にあたる部署がないということもあり、入退職や部署移動に伴う情報変更や管理をリアルタイムで反映させることが非常に難しく、併せて個人情報を他の職員に開示することに対して抵抗を示す職員が増えてきたことから、そもそも緊急連絡網を作成・配布すること自体ができなくなってしまいました。

学校などの公共機関であれば、有事の際に無料で利用できる一斉メール送信サービスがありますが、医療機関の場合は独自で有料のサービスを利用するしかありません。そこで、職員の連絡手段として安否確認システムの導入を検討し始めたという流れです。

決め手は「コスト」「操作・メンテナンスの安易さ」「汎用性」

数ある安否確認システムの中から、なぜ安否確認サービス2を導入したのでしょうか?

目代さん:まず、インターネットを通じて口コミなどを含めた情報収集を行うことから始めたのですが、母体となる会社としては通信業者、警備会社、トヨクモさんのような安否確認に特化したサービスの3タイプがあることに気付きました。そこで「コスト」「操作・メンテナンスの安易さ」「汎用性」という3つの視点から、それぞれの強みを生かしていると感じている3社に絞って具体的に検討しました。

3つの視点で選定されたんですね!まずコストの視点からなぜ評価いただけたのか教えていただきたいです。

目代さん:価格面でダントツに安かったのが安否確認サービス2でした。院内では、当院の規模、現在の通信環境下でどれほどのコストが発生するかという点が重視されていたので、他社に比べて大幅にコストを抑えられるというのは非常に大きなポイントとなりました。当時私はシステム導入に向けてプレゼンする立場にあったのですが、ランニングコストを踏まえて提示したところ、年額を月額と勘違いされたほどです。とはいえ、安かろう悪かろうでは本末転倒となってしまうため、もちろん最終的に価格と機能を見合わせて選ばせていただきました。

なおかつ、院内のインターネットにつなぐことができれば、すぐにでも導入できるというのもメリットでしたね。わざわざ業者が入る、新たに機材を設置するというようなシステムも多い中、院内で完結できるというのは大きな魅力と感じましたね。

操作性やメンテナンスについてもなぜ評価いただけたのか教えていただきたいです。

目代さん:当院にはITシステムを専門で担う職員がいないため、一般的なネットユーザー程度の人が運用できるシステムでないと導入が難しいというのが前提としてありました。安否確認サービス2は複雑な操作が必要なく、普通にインターネットが使えれば操作やメンテナンスが行えるという点が非常に魅力でした。仮に問い合わせをするとなると時間帯に制限が出たり、業者に来てもらうとなれば対応したりする手間が発生しますよね。実際、これまでにトラブルやエラーで問い合わせたことはありませんし、そうした時間や労力が一切必要ないというのは、病院全体の業務の効率化にもつながっていると思います。

また、安否確認サービス2はCSVファイルで登録情報のエクスポート、インポートが簡単にできるというのも特徴的でした。他社では登録情報の入力作業を担ってくれるサービスもあるようですが、私としては担当者が当院まで足を運んでくれること、つまり人を介して対応してくれるサービスが必ずしも良いとは考えていません。それよりも「自分たちだけで完結したい」という想いが強かったので、とにかく操作しやすくメンテナンスが安易な安否確認サービス2を選びました。

最後に汎用性についてもなぜ評価いただけたのか教えてください。

目代さん:すでに社内の連絡システムや掲示板などが確立している企業であれば必要ないかもしれませんが、当院としては安否確認サービス2に付随する掲示板やメールの一斉送信、テンプレートの作成やアンケートなどさまざまな機能を日常的に利用できるというのはかなり魅力的でした。当然メインとなる安否確認機能が最重要ではありますが、当院の場合は地震や災害以外で活用できるかどうかという点も比較ポイントとなりました。こうしたシステムは、日常使いをすることで有事の際も落ち着いて活用できると考えており、その部分を意識して比較検討した結果、安否確認サービス2が最適だという考えに至りました。

コロナ禍でスムーズに情報収集・共有ができた

安否確認サービス2はどうのように活用されていますか?

目代さん:新型コロナウイルスが流行し始めたころ話になりますが、当時は本当に情報が少なくて困りました。従来は議題が上がると研修や会議などを開催していたのですが、コロナ禍ではそうした集まりが一切できなくなり、本来欠かせないはずのタイムリーな情報の交換や周知ができなくなってしまったんです。そこで、感染症や感染対策など役に立つ情報は、安否確認サービス2の一斉送信や掲示板機能を活用し、できるだけ迅速に職員に提供できるようにしました。参考となる動画のURLを一斉送信して各自確認してもらったり、クラスターの状況を公開したりといった形です。また、コロナやインフルエンザなどワクチン接種に関するアンケート調査などにも幅広く活用させていただいています。いずれも電話による連絡網では難しかったと思うので、本当に新型コロナウイルスの流行前に導入できてよかったです。今回の経験を踏まえ、今後は感染に関することもBCPに含めて考えていく予定です。

また、日常的に安否確認サービス2を活用することに慣れてもらうためにも、院内で年に2回の防災訓練を実施しています。訓練の際はタイマー機能を使って一斉送信メールを送り、それぞれ職員に返信してもらうと同時に、掲示板やメッセージ機能を利用した災害対策本部の設置訓練も行っています。ただ、あくまで訓練ということもあるかもしれませんが、回答率が7割程度というのが現時点での課題ですね。登録に苦労する職員は利用するのもなかなか難しいでしょうし、どうしても面倒だと感じてしまう方もいると思うので、繰り返し安否確認の必要性についてアナウンスを行っていこうと思っています。

北津島病院様は、弊社主催の一斉訓練にもご参加いただいていますね。

目代さん:そうですね。トヨクモさんの一斉訓練は、集計結果をお知らせいただける点が非常にありがたいです。データとして提示していただけるので、院内だけでなく他社の結果と比較ができますし、実際に地震や災害が発生した際のシミュレーションもしやすくなります。訓練開催時は事前に連絡が来てワンクリックで参加ができる、訓練後は詳しいレポートが届く、これらがすべて無料となると利用しない手はありません。今後も、できる限り参加させていただきたいと考えています。

安否確認サービス2を導入しているという大きな安心感

最後に、貴院の防災対策と安否確認サービス2に期待することについて教えてください。

目代さん:当院の防災対策についてはBCPの作成が進まないなど悩みもありますが、現状としては緊急連絡・安否確認のためのシステムを導入できたということで一安心しています。また、職員への連絡手段が複数あるというのも安心して運用できる理由の1つですね。近年はメール機能自体を利用しない職員も増えているので、非常に頼もしいツールであるアプリは今後も残していただきたいです。その中で、LINE連携機能がオプションではなく無料、あるいは元々機能を含めた価格設定になっていればさらに導入しやすいと思います。

医療機関に限って言いますと、災害時に利用する公的なシステムとして「広域災害救急医療情報システム(EMIS)」というものがあります。建物の被害やライフラインの状況などを入力することでこちらからSOSを発信することができ、状況に応じてDMATが駆けつけるというシステムですが、安否確認サービス2にもそうした機能があるとより安心できると思います。例えば、災害時SNSには真偽が判断しにくいSOSも多く、その中で安否確認サービス2を通して発せられたSOSであればリソースとして信頼できると判断される可能性もあるのではないでしょうか。具体的なイメージは難しいですが、安否確認サービス2を通じて院外にSOSを発信できる機能があれば役立つと思います。

社内の活用の幅を広げていただけるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!

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