事例一覧社会福祉法人 日本心身障害児協会
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1961年創業の医療センターが事業継続計画(BCP)の観点から安否確認業務を改善

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社会福祉法人 日本心身障害児協会 島田療育センター
社名
社会福祉法人 日本心身障害児協会
掲載日
2022.10.6

課 題

  • 職員を参集するための業務が煩雑化

  • 防災危機管理対策委員会で参集能力を調査した結果、課題があった

対 策

  • 緊急時に職員を迅速に参集するため、デジタルへの移行

  • 誰でも簡単に使えるシステムを検討

効 果

  • 安否確認業務の工数を大幅に削減することに成功

  • 2つの施設の職員532名と防災危機管理対策委員会がダイレクトでつながれるように

  • 緊急時の対応フローの理解向上と迅速な安否確認を実現

日本で最初の重症心身障害児施設として開設以来、「地域に開かれた施設」の指針のもとに児者一貫した医療・療育を続ける島田療育センター。緊急時に職員を迅速に参集するために、安否確認サービス2を導入して約半年。当社が9月1日(防災の日)に開催した一斉訓練に密着して、どのような効果が現れているのか主管委員会となる防災危機管理対策委員会に所属する事務部 部長 森久保真由美様にお話を伺いました。

東日本大震災で得た課題ー安否確認を自動化するために専用システムを導入

お話を伺った方

森久保真由美様

重い障害を持って生きる児・者に、生きるための医療と充実した生活を保障するため、さまざまな専門職と連携して医療・看護を提供しています / 森久保真由美様

事業内容について

森久保: 島田療育センターは、医療型障害児者入所施設や療養介護の運営、外来診療やリハビリテーション訓練、短期入所など、様々なサービスを提供し、利用者の幅広いニーズに応えています。
地域に開かれたセンターを目指して、毎年9月には地域の皆様と島田療育センターの利用者が交流する「わいわい祭り」も開催し、社会福祉の視点から立地する地域の価値向上を目指しています。

災害時に職員を迅速に参集するため、安否確認サービス2を導入

森久保: 医療型障害児者入所施設では、現在233名の重症心身障害児(者)の方が年齢、性別に合わせた病棟で日々の生活を送っています。そのため、どんな災害が発生しても利用者の日常を守るために、迅速に職員の安否確認をして緊急に参集させる必要があります。
こういった事業継続の視点から防災危機管理対策委員会で参集能力の調査を行なったところ、課題があったため、安否確認システムの導入を検討しました。
安否確認サービス2は、オフィス防災EXPO2020東京で初めて知りました。使いやすさに拘っていること、他社製品と比べて安価であることが決め手となり、トヨクモのサービスを導入させていただきました。

入所者の方の命を預かっているので、自然災害・人災など緊急事態の安全確保は急務です。

災害時の情報収集、集計業務効率の向上を実感

施設外にいる職員とのコミュニケーションはデジタル化

森久保: 医療機関では、携帯電話の利用規則が細かく定められています。島田療育センターもマナーの問題や医用電気機器への影響を踏まえて独自の規則を定めて、原則病棟内では携帯電話の持ち込みを禁止しています。そのため災害時は、職員によって情報収集の方法が変わり、施設内にいる職員は安否確認カードで、施設外にいる職員は電話やメールで行います。情報収集の仕組みは整っていましたが、電話やメールは緊急時に繋がらない可能性があること、緊急連絡網を確認して個別に連絡する必要があるなど煩雑でした。また、いざという時、私たち管理者が被災し初動対応が遅れる可能性もあると思います。現在は、人的に対応しなければならない業務、安否確認サービス2で自動化できる業務を明確にして、施設外にいる職員の情報収集を迅速に行い参集する仕組みが生まれました。
安否確認サービス2を導入したことで、災害時に職員の安否状況をデータベースとして保管できるようになり、また施設外の職員とのコミュニケーションがデジタル化され、情報収集のための業務を大幅に削減することができました。例えば、施設がある地域で地震が発生した際などには、いままでは電話やメールで職員の安否確認を行い、防災危機管理対策委員会でホワイトボードに手作業で集計結果を書き出していました。この作業も安否確認サービス2を利用することにより、地震が発生した際は職員に自動で安否確認メールが配信され、職員が回答した内容は自動集計できるようになったため、業務効率はとても上がったと思います。

センター全体防災訓練のバージョンアップ

森久保: 島田療育センターでは、初めて安否確認システムを導入したため、運用方法などを日々模索して活用しています。特に防災対策の視点では、管理者の業務が大半となり性質上属人化してしまうため、一般職員には浸透しづらいです。そのため基本的な防災対策は無論、安否確認サービス2の運用についても「何を・どのような手順で・どれくらいの時間をかけて」行うのか、全職員に共通認識を持たせるためセンター全体防災訓練を毎年6月に実施しています。
防災訓練の実施にあたっては、地震による被害などを想定し、負傷者や施設の状況を細かく設定します。訓練が始まると防災対策本部の設置から始まり、重傷者を担架で運ぶ訓練や無線の確認、病棟にいる人数の把握、施設の状況確認などを徹底して行います。出勤困難やインフラ障害、生活物品の流通停止、食事供給の停止など万事に備えることが利用者の命を守ることに繋がります。
安否確認サービス2の導入後は、訓練の一部に取り入れ情報収集や指示出し、施設外にいる職員の参集など、災害が起きてから職員を確保するまでをシステムを活用して行う訓練も実施しています。アナログだった訓練が一部デジタル化され、情報収集の速さや集計情報の正確性に向上を感じています。

職員の安否状況は、安否確認サービス2でデータとして管理ができます/森久保真由美様

職員に根付いた防災意識。一斉訓練で迅速な安否回答が行われた

トヨクモ主催 全国同時一斉訓練

一斉訓練は、安否確認サービス2をご利用いただいている全てのお客様を対象とした、当社主導の訓練です。参加を希望いただいたお客様の環境に登録されている、全てのユーザーに設問付きのメールを配信し、回答率や回答までにかかった時間を数値化、全体の結果と比較した個別レポートを無償で提供するという取り組みです。
この訓練は、お客様に安否確認サービス2の活用度合いを確認いただき、改善の一助としていただくと共に、実際の災害に近い条件で配信・回答していただくことによる負荷試験も兼ねています。

森久保: トヨクモ主催の一斉訓練は、案内をいただいてから防災危機管理対策委員会で参加可否に関する議論を行いました。配信内容や結果レポートの作成などに工数をかけず訓練を行えるため参加することを決めました。職員に安否確認の流れを、認識させる上でもとても良い訓練だと思います。
今回の訓練は、導入から半年で運用を開始してから大きな災害を経験していないこともあり、職員が迅速に回答してくれるのか、不安です。

事前に何か準備はされましたか?

森久保: 初めて一斉訓練に参加するので、第一目標として、職員に安否確認の流れを認識させることを定めています。訓練の1週間前に院内の掲示板で所属長に告知して、職員に共有するよう案内をしました。今後は、訓練を最大限に活かすために無告知で実施することを考えています。

一斉訓練で職員に安否確認の流れを認識してもらえます/森久保真由美様

一斉訓練開始

一斉訓練の通知は届きましたか?

森久保: 登録したメールアドレスに安否確認サービス2から通知が届いています。メールに内包されているURLをクリックすればIDとパスワードを入力することなく設問フォームにアクセスして回答ができるので、とても良いですね。

職員の方の回答状況はいかがですか?

森久保: 役員や事務部の職員、施設外にいる職員51名が回答しています。病棟で勤務している職員以外からは、私の予測より早く回答されていて、驚いています。  事前に告知をしましたが、職員が外部主催の訓練に能動的に参加している様子を確認できて、島田療育センターには防災意識が根付いていると改めて実感することができました。

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安否確認システムを活用した新たな仕組みを構築する。命を預かる施設だから防災対策を徹底する

防災危機管理対策委員会を超え情報共有する文化に

森久保: 安否確認サービス2を導入して、災害時の職員の安否確認が迅速になりました。運用方法次第では、災害時や緊急時の情報収集・共有を行うツールとして、いままで以上に活躍してくれるシステムだと感じています。職員からは「降雪の際に施設周辺の情報を発信して欲しい」「緊急時、病棟の様子は当直の職員が周知する方が良いと思う」といった相談や依頼が来ることも増えました。防災対策に関連するコミュニケーションが一部デジタル化されたことによって職員間の精神的な壁が取り払われて、大事な話を共有しようという考えが付いてきたと思います。
自然災害のみならず、施設の火災など人的な被害も想定して、安否確認サービス2を最大限活用できるようにしていくことが、今後重要になると思っています。

全法人の迅速な情報共有が施設利用者の命を守る

森久保: 島田療育センターの理念は「利用者のニーズに応え 質の高い療育を目指す」です。最も重要な役割が利用者の命を守ることで、それを実現するために全法人で迅速な情報共有が必要になります。仕組みの一部として安否確認サービス2を活用して、情報をデータベースとして保管し、データを用いて防災対策の向上を図ることが、安心して療育を受けられる環境作りにつながっていくと思っています。

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一斉訓練の後日談

センター全体防災訓練と一斉訓練で災害対策を強化します

森久保: 一斉訓練後に防災危機管理対策員会で振り返りをしたところ、6月に実施したセンター全体防災訓練で安否確認サービス2の訓練を行っていたため、操作に迷うことなく設問フォームに回答ができたと話があがり、訓練の効果を実感しました。定期的に訓練を実施することが緊急時の対応力向上につながります。島田療育センターは、今後も一斉訓練やセンター全体防災訓練で災害対策をしていきます。

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